ということで、2023年3月27日から開始されたパスポート更新(切替申請)のオンライン申請をしてみましたので、どんなものかザックリと実際の画像を交えながらお伝えしていきます。
なお、基本の情報は令和5年3月27日時点で発表されているもの、作業の情報は令和5年3月28日時点での実体験を基に記載しています。
仕様ツール:iPhone SE 2ndGEN
OS:16
ブラウザ:safari
パスポートに関わる変更点
①オンライン申請の開始
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— 政府広報オンライン (@gov_online) February 19, 2023
3月27日から、オンラインでパスポートの更新申請が可能になります!
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更新時、窓口に2回行く必要があったのが、受取時の1回で済むようになります。
詳しくは▶https://t.co/oJ7cRIN7Kq
2月20日は #旅券の日✈
ということで、これが目玉ですね。今回はこれをやってみました。いくつかハマった点もありますので、後半で解説していきます。
②査証欄の増補廃止
観光程度では査証は不要であったりスタンプも減ってはきましたが、渡航の多い方は残ページが少なく(最終から2ページ以内に査証がある場合は対応不可なことがあるので便宜上であり、実際には事情により残ページによらず可能だった)なるとできていた増補と呼ばれるページの継ぎ足しができなくなりました。なお、代わりに新規発行(有効残年数を維持)で割安に作成することが可能になります。
③未交付失効手数料が発生
交付されてから6か月以内に受け取らず失効した場合、その5年のうちに再度申請して受け取る際に余分に6,000円(印紙4,000円、証紙2,000円)の手数料が加算されます。
④確認書類が戸籍謄本のみに
これまでは戸籍抄本(本人のみの記載事項)でも可能でしたが、戸籍謄本(全部事項証明書)のみ可能となりました。
オンライン申請
申請要件
①パスポートの残存有効期限が1年未満
②査証欄の余白が見開き3ページ以下
今回、私は①に該当します。
また、前提条件として、当然ながら管轄のパスポートセンターがオンライン申請に対応している必要があります。なお、更新については全都道府県が対応しています。新規申請(失効後の申請を含む)や戸籍の変更(氏名・本籍地など)がある場合は一部(戸籍謄本の簡易郵便を受け付けている府県)を除きオンライン申請ができません。戸籍システムのオンライン化は令和6年度中の対応を目指して取り組んでいるそうです。
③マイナンバーの電子証明書を登録している
④マイナンバーの読み取りができるスマホを使用できる
更新に関しては、①or②と③④の条件を満たせばオンライン申請が可能となります。
手数料
10年:16,000円
5年(12才以上):11,000円
5年(12才未満):6,000円
残存有効期間同一旅券:6,000円
基本的に証紙印紙の類は現金払いですが、一部ではクレジットカードが利用可能な窓口もあるようです。今後は支払いについても電子化していく方向ではあるようです。
また、昨年より10年有効期限の発行可能年齢が引き下げられたことに伴って、18歳未満の申請に際しては親権者の同意書が必要となります。
実際の動線
事前準備までの流れ
①マイナポータルにログイン
とにかくことあるごとにマイナポータルへのログインの場面が出てきます。1回ログインしてカードを片付けてしまうと二度手間になるので申請完了まで手の届くところに用意しておきましょう。
②申請する手続きの選択と申請要件
今回はパスポートの更新(切替申請)ですのでそれを選択すると、申請可能な条件と必要なものが表示されます。必要なものは、マイナンバーカードと現在有効なパスポート、そして申請に使用するスマートフォンとなります。
③写真撮影の準備と申請の流れの確認
顔写真については撮影済のものも使え、一般的な要件程度なのでそれほど気にすることはありませんが、加工等が行われたものはNGということで過度に光を当てたりすると良くないかも知れません。背景に影の映り込みなどがある場合もNGとされています。また、マイナポータルでその場で撮影することも可能です。その場合は証明写真機のようにカメラに頭頂部や顎の位置、顔の中心線などのガイドも出るので案外簡単かも知れません。
自署については白紙の用紙に書くだけなので特段気にする必要はありません。恐らく現在のパスポートと同じように顔写真のページに挿入されるのだと思われます。
④申請前の同意と注意事項
よく読んだ上で問題が無ければチェックを入れて先に進みます。また、ここですぐに入力することはありませんが署名用電子証明書が有効か確認するように促されます。最近マイナンバーカードを取得した場合は問題ありませんが、カードの有効期限と証明書の有効期限は異なる(証明書はカード発行から5回目の誕生日)ため、時期によっては注意が必要です。
事前準備
それぞれ必要な情報をアップロードしたり入力していきます。基本的にはタップした先にするべきことが記載してあるので問題無く進めていけると思います。
しかし・・・ここで思わぬつまづきポイントがありました。
なぜだかどうして、何度やってもエラー。そもそもこの表示の前はログインエラーのような表記になり全く何もできない状態になってしまいました。本来は3月27日に申請するつもりがどうにもならず諦めて、結局次の日には何もなかったかのように送信できました。
なお、ログインエラーになる場合の対処方法はFAQにもあるのですが、iOSの場合はsafariのクッキーの設定をブロック無しにするか、プライベートブラウザで開かないということでしたが、どちらも該当していませんでした。
ちなみに、ブラウザの問題かと思いChromeにしたところ、初手のログインですらエラーになりましたので参考までに。
パスポートの読み取りも行います。顔写真のページで氏名・旅券番号・有効期限が自動認識されます。クレジットカードのスマホへの取り込みよりも早く正確に認識されますが、情報が間違っていないかの確認は入念にする必要があります。
また、更新の申請において戸籍謄本は必要ありませんが、本籍地を入力する必要はありますので把握しておかなくてはいけません。現在は運転免許証にも記載が無いので、うっかり分からなくなってしまうこともあるかも知れません。
申請の中断と再開
一気に申請完了までやってしまえば良いのですが、そうもいかない時には保存をしておいて途中から続けることも可能です。今回は画像のアップロードができないという事態に見舞われましたし、どのようなことがあるか分からないので念のためどこかにセーブポイントを作っておくのも安心かもしれません。
中断した場合は途中データの.datファイルが作成されているので、申請を再開するを選択しファイルを選んで続きを行っていきます。
再開するためには申請データとしてファイルを選択する必要がありますが、このiPhone内の中にマイナポータルのフォルダができていますので、その中に入っているものを選択すればOKです。基本的にはその保存ファイルしか無いと思います。
【ファイルを選択→このiPhone内→マイナポータルのフォルダ→中のファイル】
ここまでが事前準備の項目となります。
申請
事前準備の内容に誤りが無いことを確認したら申請に進んで行きます。
パスポートのICチップの読み取りを行います。画像の通りですが、査証と査証の間にある分厚いページのところですね。当てる位置が良くなかったのか、個人的には読み込みがあまり良くないように感じました。反応が悪いときは角度を変えたり位置を変えたりするとよいと思います。
ここでも先程と同様に現在のパスポート情報が反映されます。
続いてマイナンバーカードの読み取りを行います。ここでは券面事項入力補助用のパスワードを入力する必要があります。ここまでのパスポート申請では初登場です。
また、ここではマイナンバーカードから読み取られない郵便番号が必須の項目として手入力するように求められます。
続いてマイナンバーカードの顔写真を認識するための読み取りを行います。生年が西暦か和暦か、有効期限、セキュリティコードを入力すると解像度低めの顔写真が出てきます。恐らく同一人物であるかの簡単な認証は行われているものと思います。
ようやく最終確認の項目になりました。驚くべきは交付予定が5~7営業日ということで、ずいぶんと早いなという印象です。もちろん不備が無ければということになりますが、それでもかなり早いと思います。また、発行日から6か月以内に受領しない場合は失効すると念を押されています。
最終確認です。全ての事項に同意できればこれで申請入力は完了となります。
申請に係る最後の作業はこちら。署名付与。最序盤で確認してくださいと言われた署名用電子証明書のパスワード(英数混合6~16桁)が最後の最後で登場します。これを入力すれば完了です。
お疲れさまでした。以上でパスポート更新のオンライン申請は終了となります。
こちらが申請後の状況照会の画面となります。申請完了から5分ほどでマイナポータルの方にも申請受付の通知が来ました。
まとめ
ちょうどパスポートが切れるタイミングでもあり、このためにマイナンバーカードを取得したと言っても過言ではないほどに期待していたシステムですが、画像アップロードのエラーや何やで少々困惑はしました。ただ、発給までの時間がかなり短縮されるようなので、これは大変ありがたいと思います。また来庁が一度で済むのと、時間を問わず自分のタイミングで手続きできるのもとても意義深いと思います。
ただ、中途半端にオンライン化されている面も否めず、特に戸籍との連動や支払いスキームに関してはなんとかならなかったのかというのが正直な感想です。
そもそもオンライン申請と同時にクレジットカード決済ができるものだと思っていたら、フタを開けてみれば結局窓口での証紙類の購入というのは変わらないようで、未交付失効手数料なども申請時決済にしてしまえば不要なことであり、せっかくのシステムが生かし切れていない感はあります。
これをキッカケにマイナンバーカードを交付したことで、マイナポイントも貰えてしまったし、これからお役立ちグッズになっていく気配は感じているので、今後に期待したいと思います。