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平民が上級国民と同じようなことをする為の備忘録と雑記帳

Go To キャンペーンのそこじゃない話

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東京外しと周辺3県

なぜ、東京都だけを除外するのか。

当然ながら、感染拡大が懸念される状況であり、少なくとも日本において震源地とされているのは間違いなく東京であるからと言えば、もっともらしく聞こえる意見ではないでしょうか。

 

しかしこれは移動の制限をするというような話ではなく、あくまでキャンペーンの対象から『都内発着』『都民』を除外するということです。

 

神奈川県・埼玉県・千葉県の東京都に隣接するこの3県は、ことあるごとに『生活圏』が同じであるので一体での取り扱いをと口にしてきたわけです。事実として、この生活圏が同じということは間違いないと思います。

 

それでも今回は東京都だけとなっています。

 

誰が何をしたのか

都知事の発言を見るからに説明を要求している辺り、主導者はもちろん国でしょう。

国土交通省、観光庁、更に言うなら政府です。そもそもあのタイミングで前倒しに傾いたのも当然ながら同じ構造だと考えられます。

 

そして問題なのは、各自治体(1都3県)にどのような情報提供と提案を行ったのかということです。仮にトップダウンで通達を出しただけであれば、全ては一貫して国の責任でということになります。他方、自治体に選択権を与えたとするならば、話は大きく変わってきます。

 

東京都としては、恐らく近況を鑑みて時期尚早という流れだと思います。では近隣県はどうでしょうか?常日頃から『同一生活圏』を主張しておきながら、今回の施策に限って受け入れるということであれば、これまでのことや今後の方針にも全く一貫性がなくなり、同じ理由付けは認められなくなることでしょう。

 

一方、地方では首都圏からの流入を良しとしない風潮が散見されます。

 

代替案

地方を分離して行うなど、これまでもいくつか立ち消えた話はありましたが『東京外し』をすることになって、今後何らかの策が必要になることでしょう。

 

・都民に対しての給付金?

これをすればきっと混乱が起こるでしょう。そもそも規制をかけているわけではなく、キャンペーンの対象から除外しているだけです。更にいうならば、一律ということにしてしまうと、このキャンペーンを利用しなかった(できなかった)他の道府県民からすれば損意識しかありません。

 

・時期をズラす?

まだ現実的なのはこちらでしょう。東京都を除くキャンペーンをまず行い、感染状況などが改善した後に都民を対象にしたもの、都内を対象にしたものという形でキャンペーンを行う。ただし、総額の何パーセントをそこに振るかなどは再検討する必要がありあます。

 

実際のところ

今回のキャンペーンが危険なことなのかと言えば、必ずしもそうではないと考えています。分科会の尾身会長も仰っていましたが、旅行(移動)で感染爆発を起こすのでなく、現地での行動であると。ただし、感染拡大を懸念する状況であればキャンペーンを全国展開する時期にはないとも仰っています。

 

これについてはまさにその通りだと思います。そのような事態が発生するのであれば、通勤電車などは地獄絵図も甚だしいことです。現状のような感染状況に止まっているはずはありません。しかし同時に、現在は感染拡大が懸念される状況にもあると言えるかも知れません。

 

今回の感染症は目に見えないウイルスによるものであり、未だもって実態が計り知れないという意味では、不安や恐怖を感じることは致し方ないと思います。

 

 

なぜ東京外しなのか

結局のところ、最大のインパクトで最少のダメージということを考えたときに、最大の懸念事項である東京をブロックすることで(相当数の反対層に)一定の配慮を見せながら、経済効果を考えた際には限定的にしたかった(せざるを得なかった)ということではないでしょうか。

 

少なくとも批判的な意見が多い中で、それを中和する何かを投入する必要があったという点では、これは続行するにあたり必要最低条件だったのだと思います。

 

風説的に、東京以外の観光地にまで波及させたくなかったなどということも見聞きしたりします。これが自治体発信であれば由々しきことだとは思いますが。

 

まとめ

もっと時期を見極めて全国でなどという意見も多数ありますが、確かにそれはそれでもっともな意見だとは思います。しかしながら、色々と限界なこともありどうしても『この夏』に間に合わせたかったという意図はひしひしと伝わってきます。

 

普通に考えると、システムも整っておらず事業者募集もできてない、参加者側も80%近くがよく理解していない(某調査データ)で見切り発車は愚策です。しかしながら、切迫した状況でスタートが切られるのです。

 

今回の件は、あくまでキャンペーンの対象から除外ということで、それに関係無く行動する人はもちろん居ると思います。実際、それを規制する目的ではないことになっていますので、それ自体が何ら批判されことではありませんし、むしろより多くのお金を使って頂くことになるわけです。しかしながら一般論として、受け入れる側がそういう心情になっているか、なれるのかということを大変に危惧しています。

 

そして、既に都内発着をかわす手段の話題は巷に溢れています。羽田ではなく成田を使うとか、新横浜で降りるなど、規制の陰には裏道が出てくるものです。それはそれで逆に見通しが悪くなったりしないのかと気になったりするところではあります。

 

今回の決定はキャンペーン開始のわずか一週間前です。急転直下で始めると言ってみたり、今度は除外すると言ってみたり。それだけ色々な事象が絡み合う複雑な状況で、難しい舵取りが迫られるということでしょう。

 

この除外の前例を作ったが故に、当然ながら開始後も突然の変更はありえるということは頭に入れておいた方が良いでしょう。このまま完走はないと思います。

 

一定の枠組みの中で、選択権は我々にあります。お得だからと飛びつかず静観することも可能です。もちろんキャンペーンを最大限活用することも可能です。他者を否定せず、自己の論理を推さず、状況を見ながら思うようにしていこうと思います。

 

(予約もいくつか持ってるけど、対象外もそれなりにありそうなんだよなー)

 

キャンペーンありきで予約した層はどれだけキャンセルするのでしょうか。また、その規定の如何によっては除外しても行かざるをえないことにもなると思いますが。

 

航空会社のように、先の予約に無償で変更可能のようなことにして、いったん預り金にというわけにもいかないでしょうか。個人的には、いずれ旅行にと思うのであればキャンセル料を払ってまでやめるよりは良いと思うのですが。

 

 

とりあえず、事あるごとに責任の擦り付け合いをするのは見苦しいのでやめて頂きたい(笑)

 

 

追記(2020/7/18)

新経済連盟の三木谷氏(楽天)がGo Toキャンペーンの事業開始延期を求めているとのことです。発言の趣旨は非常に理解できるし、大義もあるとは思いますが、自社で大々的なキャンペーンを打ちながら言われても(笑)

 

と、思ったのですが、方針転換するようですね。

 

1点気になるとすれば、本件の中止に対して楽天トラベルでのキャンセルの処遇についてです。どうしようと考えているのでしょうか?

 

政界との太いパイプのある同氏が、政府の傀儡としてキャンセル料の負担は当社でなどという流れを作り、同業に影響を与えることなどが無ければ良いのですが。それは側面として流動的な現在の状況において、安心感を与え顧客を取り込めることにも繋がるとも考えられます。

 

あくまで私見ですが、『始めます』も『外します』も急なことで混乱を招いた責任は国土交通省(定義上)にあると思いますが、『行きなさい』と言われたわけでもなく『行ってはいけません』とも言われたわけでもない個人が、昨今のリスクを鑑みずにキャンセル不可で予約したキャンセル料を肩代わりしろというのは都合が良すぎると思っています。

 

もし仮に何かしらの補填を行うようなことになれば、その原資がナニでどこからどこへ行われるのかが非常に大きな問題となります。仮に公金などという話であれば・・?

 

#税金でのキャンセル料補填に抗議します

 

なんてことになるのかもしれません。そして考え方による亀裂はさらに深く。

 

 

もちろん、緊急事態宣言が発令されたり、予約していた旅行先が封鎖された場合は全くの別問題ですが。